悠哉も、茅耶も、まともな大人になるといい。
相馬と沙耶のように、お互いが唯一無二の相手を見つけ、闇に呑み込まれることなく、笑っているといい。
「行こうか」
よちよちと、歩く双子。
面倒くさい親でも、
自分勝手な両親でも、
子供にとっては、それが“絶対的存在”。
「ママに会いに行こ?」
私のその一言で、笑顔になる。
「ママ!」
小さな、小さな、沙耶が守りたかった命。
沙耶にとって大切な子供は、私にとっての大切と同じ。
だからこそ、守り抜きたい。
(あなたたちのお母さんは、私をあまり頼らないから……)
なら、子供は守ってもいいだろう。
大事な親友兼幼馴染みのためならば、どんな面倒事でもやってやろう……そう思う、柚香なのだった。


