☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



悠哉も、茅耶も、まともな大人になるといい。


相馬と沙耶のように、お互いが唯一無二の相手を見つけ、闇に呑み込まれることなく、笑っているといい。


「行こうか」


よちよちと、歩く双子。


面倒くさい親でも、

自分勝手な両親でも、

子供にとっては、それが“絶対的存在”。


「ママに会いに行こ?」


私のその一言で、笑顔になる。


「ママ!」


小さな、小さな、沙耶が守りたかった命。


沙耶にとって大切な子供は、私にとっての大切と同じ。


だからこそ、守り抜きたい。


(あなたたちのお母さんは、私をあまり頼らないから……)


なら、子供は守ってもいいだろう。


大事な親友兼幼馴染みのためならば、どんな面倒事でもやってやろう……そう思う、柚香なのだった。