☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「……卒業までとか言わないでさ、もう、ばらしちゃダメかな?」


「……秘密をか?」


「だって、三人のこと、俺、好きなんだもん」


柊真は、好きなものを好きと言わなかった。


昔から、何でも、人に譲るやつだった。


「…………良いんじゃね?」


こいつが、手にいれたのは……波琉だけだ。


波琉だけは、誰にも譲れなかった柊真。


「お前を巻き込むことになるけど、それでも?」


「たまには、お前も、我が儘を言っても良いと思うからな」


「俺、意外と我が儘だよ?」


「でも、本気なものには手を出そうとしなかった。小学校を卒業同時の波琉との婚約が、お前には良い薬となったみたいだな。三年間のお前は、普通の子供だったよ」


幼馴染みだから、そばで見ていられる。


そう言って、微笑めば。


「冬哉も、我慢上手だよね」


と、言われた。