(両親は、そんなことに拘る人じゃないんだけどなぁ……)
すべては、御園を大事にする、御前家の影響だ。
御園の親戚に当たり、御園の本家の敷地内の一角にすむ彼らは、俺たちのやり方に口を出してくる。
それで、曾祖父も祖父も父さんも……そのまた、先の先駆者たちも、手を焼いたそうだ。
彼らのせいで、愛した人間を真っ直ぐに愛すことすら出来なかったらしいから。
そんな中、母さんが嫁いできて。
挑戦的で、売られた喧嘩は買うタイプの母さんは勝負を挑み(というのも、おかしいが)、御前家の出した無理難題の試験を、すべてストレート合格。
そして、彼らを黙らせた。
『だって、自分の子供の将来まで勝手に決められたら、イラッとするもの。邪魔なものは、取り除いておくべきでしょ?だから、消したの』
ニッコリと笑顔で言い放った母親には、逆らわない方がいいと思った瞬間である。
お陰様で、昔と比べると、口出しが少なくなった……と、いうより、単純に、彼らは母さんが怖いらしいが。
(詳しくは、知らない)


