☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「……つか、マジで、無茶いうなよ。赤点常連の俺らが、蒼繚華って……担任にも、笑われるわ」


圭吾、龍生、良太は顔を見合わせて、神妙な顔になる。


「人の反応とか、関係ないでしょ。俺は、お前らのことが好きだよ。だから、婚約者のことも含めて、お前らに言いたいことがあるんだ」


中学卒業と同時に、自分の身分について話すことにしているという、柊真。


その時に、彼らがどんな反応をするのか……決して、俺らが裏切られないという保証はない。


でも、最初に隠し事をして、こいつらを騙していたのは俺らなんだから、裏切られても、何も言えない。


「こ、こ、婚約者~っ!?」


「お前、そんなに高い身分だったか?」


「学校も、未来の嫁も決められてるって……大変だな」


「決められてる訳じゃないよ。相手、幼馴染みだし。俺が自分で選んだの。ずーっと、側にいて欲しいと思ったからね」


柊真に婚約者ができたのは、三年前。


小学校を卒業したのち、こいつの婚約者である神宮寺波琉(はる)は蒼繚華に進学した。


その際に……


『ねぇ、波琉。将来さ、僕のお嫁さんになってくれない?』


と、堂々と、親の前で言い放った柊真。


それを聞いてた柊真の母親が……


『なら、婚約させちゃう?』


と、言ったことにより、成立した婚約。


(緊張感、無いよなぁ……)


と、俺が思ったあと。


『変な害虫がつく前に、捕まえとかないとね』


と、俺に微笑んだ柊真のあのときの笑顔は……気味悪すぎて、思い出したくもない。


絶対的に、小学生の笑みじゃなかった。