☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「御園の総帥、誰か知ってる?」


「そりゃ、御園相馬だろ?」


「そうそう」


そう、それが、俺の父親。


「じゃあ、その人が溺愛しているという噂で有名な、その奥さんは?」


「有名な建築会社、黒橋グループの現総帥の妹?だっけ」


「確か……黒橋、沙耶?」


「有名だよな。相馬さんの溺愛っぷり」


「何か、すっごい美人らしいぞ」


「へぇ~殿上人は違うなぁ……」


……こいつら、本当に、俺と柊真の正体を知ったら、何を思うんだろう。


「その二人が子沢山なのは、知ってるよね?」


「勿論。有名だからな」


「何だっけ……この間、父親の後ろに長男が付いていってたやつが、テレビで流れてたよな。名前……御園、悠哉、だっけ?」


そうです。我が兄です。


「あんなでかい息子がいる割に、総帥は若いよな。いくつだっけ?」


「えー」


「どうだったかな……」


兄の年に比べて、父親が若いのは当たり前である。


だって、20で兄を授かったのだから。


「悠哉さんは、18歳。父親の相馬さんが、38歳だ」


俺が横から口を挟むと、


「へぇ、詳しいな。お前」


と、感心された。


詳しくて、当たり前だ。


家族なんだから。