「姫宮……俺らとは、別次元だな」
「うん……」
「なぁ、柊真。お前も、そう思うだろ?」
こいつらは、夢にも思うまい。
「そうかなぁ?姫宮関連の仕事に就いたら、拝めるかもよ。母さ……総帥とかさ~」
癖で、『母さん』と言いかけたこいつは、姫宮総帥、姫宮夏翠の長男の姫宮柊真。
それが、いつもの面子に入ってるなんて……知ったら、土下座で謝り倒してくるかもしれない。
「総帥って……規模でけぇよ」
「じゃあ、子息とか?」
「御目にかかれただけ、最高だな」
「それな」
柊真の言葉を聞き、笑う面子。
笑いあっているが……目の前にいる柊真が、その御目にかかれただけで最高な、姫宮の御子息様である。
別に、こいつらは悪いやつらではないと思うが……自分の身を守るため、柊真も俺も、やつらを騙してる。


