☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「悠哉、茅耶」


名前を呼ぶと、茅耶は振り返って。


「うー?」


と、返事をする。


もう、人の言葉がわかるのか。


どうやら、血筋的にも、教育方的にも、この家の子供は成長が早いらしく。


(そういや、相馬はもう、このときから、すでに本を読んでたんだっけ……)


興味のあることは徹底的に学び、集めていた相馬。


全ては、母親のためだったらしいが、それを裏切られ、絶望を見てからも、興味のあることは徹底的に学んだらしい。

そりゃ、天才にもなるはずである。


沙耶も頭はいい。

授業を聞かずとも、内容を理解するほどには。


そんな二人の子供である、この双子はどんな風な大人になるんだろう?


この家の教育方針は、とても特殊で。


そのせいか。

両親が側にいなくても、幼い双子は泣かない。

私の方を見て、ニッコリと笑う。