「悠哉、茅耶」
名前を呼ぶと、茅耶は振り返って。
「うー?」
と、返事をする。
もう、人の言葉がわかるのか。
どうやら、血筋的にも、教育方的にも、この家の子供は成長が早いらしく。
(そういや、相馬はもう、このときから、すでに本を読んでたんだっけ……)
興味のあることは徹底的に学び、集めていた相馬。
全ては、母親のためだったらしいが、それを裏切られ、絶望を見てからも、興味のあることは徹底的に学んだらしい。
そりゃ、天才にもなるはずである。
沙耶も頭はいい。
授業を聞かずとも、内容を理解するほどには。
そんな二人の子供である、この双子はどんな風な大人になるんだろう?
この家の教育方針は、とても特殊で。
そのせいか。
両親が側にいなくても、幼い双子は泣かない。
私の方を見て、ニッコリと笑う。


