「お前、高校はどこ行くの?」 季節は、中学三年生の夏。 そろそろ、高校を考えなければならない時期。 俺に至っては決まっているから、決める必要はないんだけど。 「頭良い高校行くんだろ~?別々になっても、友達だからな!」 「うん」 友達と呼ばれるものにそう言われ、俺は笑った。 (これは、本当の友達なんだろうか……?) 心の中で、そう思いながら。 本当の友達なんて作れる環境じゃなかったから、わからない。