□柚香side■
蝶佳さんにお礼を言い、私は双子を連れて、御園本家を出た。
出たときの時刻は、午後、五時半。
「うばー」
双子が生まれ、早、一年半。
よちよちと歩く双子は、時々、私を振り返り、ニコリと笑う。
御園の庭はとても広いから……せめて、門までは歩いていこうと思ったのだが。
(……判断、誤ったかも)
「広いのはわかってたけど……広すぎでしょ」
広い庭には車が通るようの道路があり、そこ以外は、普通の金持ちの和風の庭。
「庭に、川……」
聞こえてくる、鹿おどしの音。
風流とは、こんなことをいうのだろうか?
川に架かる、石橋。
水面に浮かぶ、紅葉。
木々の間から差し込む光。
まるで、別世界のようである。
本当、庶民と金持ちとでは、価値観が違いすぎる。
私の旦那である、千歳も金持ちではある。
あるが、千羽家はここまではない。
確かに家はでかいけれど、でかいだけで、普通の家だ。
(妖怪とか、いろんなのが住みついているから……広いくらいがちょうどいい)
なのに、この家は部屋が余りまくっているというレベルである。
蝶佳さんにお礼を言い、私は双子を連れて、御園本家を出た。
出たときの時刻は、午後、五時半。
「うばー」
双子が生まれ、早、一年半。
よちよちと歩く双子は、時々、私を振り返り、ニコリと笑う。
御園の庭はとても広いから……せめて、門までは歩いていこうと思ったのだが。
(……判断、誤ったかも)
「広いのはわかってたけど……広すぎでしょ」
広い庭には車が通るようの道路があり、そこ以外は、普通の金持ちの和風の庭。
「庭に、川……」
聞こえてくる、鹿おどしの音。
風流とは、こんなことをいうのだろうか?
川に架かる、石橋。
水面に浮かぶ、紅葉。
木々の間から差し込む光。
まるで、別世界のようである。
本当、庶民と金持ちとでは、価値観が違いすぎる。
私の旦那である、千歳も金持ちではある。
あるが、千羽家はここまではない。
確かに家はでかいけれど、でかいだけで、普通の家だ。
(妖怪とか、いろんなのが住みついているから……広いくらいがちょうどいい)
なのに、この家は部屋が余りまくっているというレベルである。


