「早起きって……もう、7時だが?」
「僕は、3時から起きてるの」
「はぁ?寝てばっかなお前が、何だって、また、そんな朝早くから……」
「部屋で勉強してた茅耶が出てったから。それで目を覚ましたんだよ。何時間待ってても、帰ってこないし。だから、仕事をしてた」
「……心配なら、探しに行けば良いのに」
「やだよ。寒いもん。大体、茅耶が外に出られると思う?外に出るまで、めっちゃ、時間がかかるんだよ?車で、10分。そりゃ、煌には抜け道を教えてるけど」
「……それは、ありがたいと思ってる」
「じゃなきゃ、毎朝、毎朝、こんな早くに茅耶の所に来れないでしょ。本当、茅耶が大好きなんだから」
本心を突かれ、俺は苦笑した。
「……バレてたのか」
「逆に聞くけど、バレてないとでも思ってたの?」
「いや……」
「僕、本質的には昔と変わんないからね?」
「知ってる」
「なら、良いけど」
ニッコリと綺麗な笑顔を浮かべ、鬼舞殿の戸を閉めた悠哉。


