一方で、俺を含めた一般にいる人間たちは、将来の夢とかがあって、必死に勉強をしている人間たちだ。
親のコネで入り、遊び回っているやつらとは違う。
本当に、国内で天辺の人間しか入れないほどに偏差値の高い蒼繚華に実力で入れたら、余世の自慢となる。
そんな姫宮は、良心的な家で。
沙耶さんとは親友だという、夏翠様が当主の家。
何度かお会いしたことがあるが、優しくて、公平な人。
俺は茅耶の傍にいるために勉強をして、蒼繚華に実力で入ったのだが、それをとても誉めてくれた。
おまけに、蒼繚華に夢のために行きたくても行けなかった人達には、“紅繚華”という、別の学園を当主になって、すぐにお作りになられたらしい。
そこに入学すれば、蒼繚華までとはいかないが同じような教育は受けられる。
金持ちコースなどなく、一般人のための学校である。
だから、学費もそこまで、高くはない。
偏差値も高いと言えば高いが、蒼繚華ほどではなく、紅繚華で学歴を積んだものは、蒼繚華に移ることも可能。
入試までではつけられなかった学力を、代わりに紅繚華に入り、時間を得たことで身に付け、もっと上を目指して頑張りたいと望む人間には、蒼繚華へ移ることを認めて下さっている。
勿論、審査などはあるが、大抵は通されるものだ。
おまけに、経済面で学びたいけど学べないものには、無償でお金を貸している。


