☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「えー、僕もそんなにサボってないよ~」


やる気のない、無気力男になってしまった悠哉の一人称は、“僕”だ。


本気になったり、裏の仕事だったり、怒ったりしない限り、一人称は“俺”にならない。


「嘘つけ」


「嘘じゃないよ。ちゃんと、行ってる。10日間に1日くらいは」


「……せめて、3日は行こうか」


「3日!?多い!煌、頭おかしいんじゃない!?」


本気で心配してくるこの男は、本当に茅耶の双子の兄だろうか?


茅耶なんて、


『学べることは、全てやっておきたいんや』


と、いうほどに、勉強熱心なのに。


「学校に行ったって、人が群がるだけだし。行きたくないんだよ……」


「それは、お前が金持ちクラスを受けたからだろうが」


「……煌と同じ、一般にすれば良かった」


「じゃあ、移れば?」


「めんどい……」


「じゃあ、勝手にしろ」


そう、こんな男でも、茅耶よりも悠哉は注目を集める男なのだ。