☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「―あれ?煌?」


考え事をしながら、鬼舞殿を出ると、


「ありゃ、茅耶、寝落ちちゃったんだ」


茅耶の兄である、悠哉と出くわした。


茅耶と約束を交わした、悠哉と茅耶が9歳の頃までは、Sっ気を隠さず、恵まれた容貌で非道をやっていた悠哉は、現在、何もかもに無関心となり、料理や裁縫、昼寝や猫との戯れをして、学校をサボる常習犯と化していた。


「お前、私服に着替えて……」


今日はもう、学校に行きませんというように、私服に着替えている悠哉は、微笑んで。


「また、学校行かねぇ気か?」


「茅耶を抱いている辺り、煌もサボるんでしょ?」


「お前ほど、サボってねぇぞ」


茅耶の傍にいるようになってから、当たり前だけど、茅耶の盾になったりとか、茅耶の出来ないことを代わりにやったりとか、茅耶を守ったりとかしている悠哉と仲良くなって。


本来ならば、こんな口を利ける相手じゃないんだが……


『敬語とか、ダルい。ため口でいーよ。大体、煌の方が年上でしょー?』


と、いう、悠哉の一言で、今やこんな関係となっている。