☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




悠哉によると、茅耶は舞を頑張っているらしい。


『舞、好き?』


『っ、うん!すっごく、楽しいの!』


舞の話になると、顔を輝かせた茅耶。


『じゃあ、茅耶は舞の妙手になるね』


『……そんなこと、わからないよ?』


『なんで?』


『だって、妙手って言うのは……伯母さんみたいなものを言うんだもの』


茅耶の伯母……御園相馬さまの姉君である、御園京子さまは茅耶の舞の師匠であり、日舞の世界で名高い人で。


勿論、家でも、相馬さまの次の地位にいる人だった。


『それは、伯母さまが努力をしてきたからじゃん。茅耶も頑張れば、きっと出来るよ』


『でも、私、……』


『ん?』


『私なんか……』


『茅耶、私なんか、じゃないよ。茅耶だから、出来るんだよ。伯母さまにしか出来ないことがあるように、茅耶にしか出来ないこともある。違う?』


大きくなって思えば、単なる格好つけだったのかもしれない。


小さな女の子を守りたい、ただ、その思いが僕を動かして。


『茅耶が男の人が怖いなら、僕が守ってあげる。僕がそばにいてあげる。その為には、僕にも慣れなきゃだよね』


『煌、くん……』


『よし、じゃあ、毎日、会いに来るよ。そしたら、僕にも慣れてくれる?』


変な、約束をした。


あの日から、俺らは、ずっと一緒にいる。