☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



『……別に、嫌いとかじゃないの……』


『うん』


『煌くんは、優しいし……けど、怖いの……』


『怖い?』


『うん……』


聞けば、男の人が怖いと言う。


『家族とかね、毎日、家にいる人は大丈夫なの。毎日、顔を合わせてるし……お父さんが、人は選んでるから。だから、怖くないの……』


『うん』


『昔ね、男の人が追いかけてきたことがあって……』


『……』


そうだった。

忘れていたけれど、茅耶は御園相馬さまの長女だ。

命を狙われることも、誘拐されることもあるのだ。


『だから、たまに会う人でも、怖くて……それで……』


『だったら、強くなろう?茅耶』


『え……?』


『茅耶はまだ小さいし、お嬢様だし、手を伸ばせば、誰かが助けてくれる。でも、茅耶はそんな自分が嫌なんでしょう?だから、必死に努力してるんでしょう?』


自分より、二つ年下の幼馴染みに。


少し先輩だった僕は、微笑んだ。