☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




『御園悠哉です。よろしく』


父さんの仕事関係で、知り合った双子。


『ほら、茅耶も挨拶』


今と比べて、全然、性格の使い分けもする気の無かった、素直と言えば素直の悠哉が妹の背中を押す。


『御園……茅耶、です……初めまして……』


人見知りなのか、どこか怯えた風の八歳の女の子。


『茅耶、僕になつかないね』


常に悠哉の後ろに隠れているような印象を受ける、そんな茅耶。


『僕と双子のはずなのにねぇ~』


S感を隠さずに発揮をしていた、悠哉とは大違い。


だから、双子と言われても、信じられなかった。


『茅耶は、僕が嫌い?』


出逢って一年経った頃、そう訊ねると。


『……悠哉、あっち、行ってて』


今まで盾にしていた悠哉を追い払い、


『ごめんなさいっ!』


茅耶は、僕にそう言った。