『御園悠哉です。よろしく』
父さんの仕事関係で、知り合った双子。
『ほら、茅耶も挨拶』
今と比べて、全然、性格の使い分けもする気の無かった、素直と言えば素直の悠哉が妹の背中を押す。
『御園……茅耶、です……初めまして……』
人見知りなのか、どこか怯えた風の八歳の女の子。
『茅耶、僕になつかないね』
常に悠哉の後ろに隠れているような印象を受ける、そんな茅耶。
『僕と双子のはずなのにねぇ~』
S感を隠さずに発揮をしていた、悠哉とは大違い。
だから、双子と言われても、信じられなかった。
『茅耶は、僕が嫌い?』
出逢って一年経った頃、そう訊ねると。
『……悠哉、あっち、行ってて』
今まで盾にしていた悠哉を追い払い、
『ごめんなさいっ!』
茅耶は、僕にそう言った。


