☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「夏渡、昔から、兄弟を支えてきてさ。しっかり者だから、真耶を安心して任せられる」


「……悠哉さん、無駄に誉めないでください。俺ん家の事情、貴方、知ってるでしょう?姉さんが育ててくれたようなものなんで、俺はなにもしていないですよ」


控えめに微笑む彼は、スラッとしてて……なんか、運動をやってそう。


「謙遜しなくていいじゃん。サッカーでも、部を盛り上がらせたし、高校、大学と奨学金で通っているんだから、十分に凄いことだよ?」


「姉さんが変な仕事を始めないように、ですよ。あの人、放っておくと、すぐに無茶をしますし。母さんがなくなった後も、大分、気負って……本当、翔さんに感謝です」


「翔に?」


「はい。俺は、真耶を守らなくちゃならないし……いつまでも、家族のことを気にすることはできないので」


夏渡さんと悠哉さんの会話は弾み、悠哉さんは笑顔ではないけれど、完全に無表情でもない顔で、妹を見た。


「あまり、夏渡に迷惑をかけるなよ?」


「かけないわよ。別に、夏渡は婚約者であって、護衛と思ってないもの。夏渡は、私の大事な恋人。恋人以下の護衛なんて、必要ないわ」


さっぱりとしてて、何て言うか……美耶とは違うタイプだ。


どっちかって言うと、千鶴さんと似てる。