☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



ようやく、耳を解放された私はまた、


「美人って、良いねぇ~」


口に出してしまう。


「ぶはっ……ちづ?ちづのことを、言ってる?」


「何で、笑うんですか……千鶴さん、美人なのは間違いないでしょ。大体、悠哉さんも含めて、皆さんが綺麗すぎるんですよ……」


現実を忘れてしまいそうになるほど、彼らはとても綺麗で。


「でも、ちづは伊織より年下だよ?」


「美しさに、年齢は関係ありません!」


心から思ったことを言ったのに、悠哉さんは腹を抱えて、余計に笑いだす。


「も、もう!何で、笑うんですか!」


「クククッ、ご、ごめん……」


口元に手を当てて、声をあげて笑う悠哉さん。


初めて見た、彼の一面。


「フフッ、やっぱり、伊織は飽きないなぁ……」


ぼそり、と、呟かれたその一言は、私の耳に届かず。


「性格、悪すぎだろ」


と、いう、男の人の声が、代わりに聞こえる。


そういえば……


「悠哉さん、この方々は?」


美耶と千鶴さんは分かるけど……この人たちも、悠哉さんの弟妹なんだろうか。


彼を見上げると、漸く、笑いを納めた悠哉さんが私の頭を撫でて。