☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「美味しいですよ!すっごく!!」


「フフッ、ありがとう」


「お世辞じゃないですからね!」


「うん。知ってるよ」


なんて、羨ましい。


「……お菓子、食べながらで良いんだけどさ、これ、服の修正ってさ、こんな感じでも良い?」


「服?」


「伊織が母さんに預けたやつ」


彼はウエットティッシュで手を軽く拭くと、お菓子を取り出した袋と違う袋の中から、服を数枚、取り出した。


「破けてる部分とかは、刺繍で誤魔化しちゃったんだけど……こんな感じで良い?」


手渡された服。


私や、弟妹が着ていたもの。


「凄い……」


これもまた、感嘆の息を漏らさず得なかった。


「悠哉さん、手先が器用なんですね」


「僕は、ね。妹の茅耶は、超絶不器用だけど」


「そういえば、美耶が言ってました。『茅耶姉さんの器用さを全て奪ってきたかのように、兄さんは超絶器用』だって。茅耶さんと双子でしたよね?」


「うん。その台詞、色んな人に言われたよ。因みに、僕が先に生まれたんだ」


……穏やかな、時間が流れてく。


この時間は、とても心地よくて。


質問するままに、答えてくれる悠哉さん。


優しくされたら、また、辛い思いをするかもしれないのに。


美耶といるとき、沙耶さんといるときとは、違う。


感情が忙しなくて、変な感じ。