「悠哉さんが作ったんですか!?このお菓子!?」
「?うん。あ、おかわり、いる?」
「いる!じゃなくて、欲しいです!」
「フフフッ、元気だね」
タッパを取り出して、笑いながら私の口にお菓子をいれてくれる彼。
「そんなに美味しそうに食べてくれるの、伊織が初めてかも」
「え、そうなんですか?こんなに美味しいのに?」
「母さんも、妹たちも、幼い頃から、こういうのを食べてたからね。僕の料理を『美味しい』と言っても、僕の料理は所詮、真似事だから」
「え、真似事?」
「うん。僕の叔父がさ、料理上手なんだ」
叔父が、料理上手……これよりも、美味しい料理を作ると言うのか……。
「だから、母さんに至っては美味しい料理をたくさん食べてきたわけで」
「舌が、肥えてると?」
「そういうこと」
流石、御園の奥方様。
パッ、と、見るだけでは分からなくても、やはり、これだけの料理を食べるのが当たり前になってるとは……


