☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「悠哉さんが作ったんですか!?このお菓子!?」


「?うん。あ、おかわり、いる?」


「いる!じゃなくて、欲しいです!」


「フフフッ、元気だね」


タッパを取り出して、笑いながら私の口にお菓子をいれてくれる彼。


「そんなに美味しそうに食べてくれるの、伊織が初めてかも」


「え、そうなんですか?こんなに美味しいのに?」


「母さんも、妹たちも、幼い頃から、こういうのを食べてたからね。僕の料理を『美味しい』と言っても、僕の料理は所詮、真似事だから」


「え、真似事?」


「うん。僕の叔父がさ、料理上手なんだ」


叔父が、料理上手……これよりも、美味しい料理を作ると言うのか……。


「だから、母さんに至っては美味しい料理をたくさん食べてきたわけで」


「舌が、肥えてると?」


「そういうこと」


流石、御園の奥方様。


パッ、と、見るだけでは分からなくても、やはり、これだけの料理を食べるのが当たり前になってるとは……