☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「フフッ、美味しい?」


「すっごく!何ですか?これ」


どこのお店のだろうか?


生まれてから食べてきたお菓子のなかで、一番、美味しい。


サクサクな生地に、中に入っているクリーム。


甘くて、一緒に入っている果物はなんだろうか?


一口のサイズは、すぐに食べ終わっちゃって。


飲み込んで、彼の顔を見ると、


「僕の作ったお菓子。母さんに頼まれてさ。あ、伊織が母さんに預けた服とかなんだけど……直しておいたから。ダメなら、修正するから言ってね」


と、笑顔で言われた。


笑顔にだいぶ免疫ができたからか、真っ正面、至近距離で受け止めることはできたけど……心臓があり得ないぐらいにバクバクしてて。


「伊織?大丈夫??」


顔を覗き込まれて、息が止まりそうになり……正気に戻る。


ふわりとかおる甘い香りや、優しい笑顔。


って、そんなことよりも。