「もしかして……窓の桟、越えたことない?」
「……ありません」
悩んでいるのは、そんなことでもありません。
「そっか。なら……」
検討違いなことで納得した彼は、軽々と、窓辺に登ってきて。
私の肩に、どこから出したのか、ストールをかけ、
「病院内は、土足厳禁なんて。面倒くさい決まりを作ってくれたものだよね」
私の膝の後ろに手をおいて。
「掴まっててね」
と、私を抱き上げた。
こ、これって……お姫様だっこと呼ばれるものでは?
小説ではよく出てくるけど、されたのは初めてだ!
細くて、白い腕。
顔は国宝級で、一見、スッゴク細いのに……
「ちょっ、ゆ、悠哉さんっ」
「ん?」
私を軽々と、持ち上げてしまって。
「顔、埋められる?」
その事に驚く私をお構いなしに、彼は私の頭を片手で抱いた。
「頭、打っちゃうといけないから」
大きな手……。
抱き上げられていることにも、恥ずかしくてたまらないのに……
私は、覚悟を決めて、彼の首に腕を回す。
そして、顔を言われた通りに埋めた。
「ふっ、良くできました」
すると、そんな声が聞こえて。
次の瞬間には。


