「あ……でも」
「ん?」
今更、気づいたと言うように彼女は目を足下に向けた。
「どうしたの?」
「……私、靴がないんでした」
「え?」
「事故のあと、そのまま……だから、外には裸足で出ないと……」
つまり。
「外靴がないってこと?」
聞き返すと、彼女はコクりと頷く。
見るからに小さな足。
事故のせいで、痩せたとは聞いていたけれど……
「じゃあ、こうしようか」
流石に、女の子に裸足はダメだ。
「君は、一階の応接室の窓のところまで来て。迎えに行くから」
「……え?」
戸惑った顔。
ああ。本当に、可愛い。
「一緒に、猫と遊ぼ」
「え、えっと……は、はい……」
「よし」
伊織が頷いたのを僕は確認し、紙袋を手に、微笑む。
「待っててね」
「はぃ……」
消え入りそうな、小さな声。
戸惑いの顔から一転、また、伊織の顔は赤く染まっていた。


