ところで……
「あ、また、赤くなったね」
伊織の表情筋の柔らかさだ。
コロコロと表情が変わって、本当面白く、可愛い。
「……猫、好きなんですか?」
「うん。もふもふしてて、可愛いじゃん。だから、好き」
「そう、ですか……」
見る限り、猫はくつろいでいるような気がするが……あ、今更だけど、伊織のいる病棟は三階ね。
そもそも、このプライベートは別棟に存在しており、本来、この病院に存在する入院棟とは、一本の廊下で繋がっている。
その入り口のところには、警護がいて……なんか、僕が生まれた24年前は、入院棟の上部階がプライベートだったらしいんだけど、そこで事故が起こって。
姫宮の人間の命が狙われたのがきっかけで、こうなったらしい。
だから、どれだけ騒いでもOK。
ここには、姫宮か、焔棠か、御園か、千羽の人間しかいないから。


