☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「……いつも分かりにくいあんたがそんな顔して……何?そんなに、伊織に気に入る要素があった?」


「可愛いじゃん。普通に」


「……あんた、可愛いとか、単語、知ってたんだね」


「人のこと、馬鹿にしすぎ。それぐらい、生きていれば、知るでしょ」


母親は何がしたいのだろうか。


「…………伊織のこと、好きなの?」


真面目腐った顔で聞いてくる辺り、やはり、伊織が心配なのか。


「否、単なる興味?かな?」


「……何事にも、無関心野郎が……」


いや、だから、さっきから失礼すぎじゃない?


本当、この人のお腹ん中で10ヵ月も過ごして、生まれてきたのが自分とか……想像もつかないんだけど。


「……お願いだから、伊織を泣かせないでよね」


「泣かせるわけないじゃん。何で、泣かすのさ。冬馬じゃあるまいし」


「……それを否定できないのが、悔しいな」


母さんは一通り言いたいことを言って落ち着いたのか、最後の最後まで念を押して、父さんの方へと戻っていった。