「荷物を届けるだけだから。安心して」
父さんとそっくりなこの顔に弱い母さんは、俺の笑顔を見ると、呟く。
「万年、無表情、だらしないの奴が笑ったりすると、破壊力がヤバイな……ってか、あんたが本気になったら、ヤバイんだって!!」
「本気?……まぁ、普段よりはやる気かも」
「勘弁して!マジで!!」
「何で、そんなに伊織に過保護なのさ?」
「やっと、笑えるようになったんだってば!!」
「……ああ」
そう言えば、事故で家族を亡くしたとか聞いた気がする。
一年くらい、前に。
「……本気を出すって言っても、誘うだけだから」
変なところで、心配性の母親。
そういうことを心配するくらいなら、他の兄弟のことを心配した方が良いと思うのだが。


