☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「伊織に、手を出したらダメよ」


「……なんで?」


「手を出すつもりだったの!?」


「……聞いてて、何で驚いてるの」


面白い、母親だなぁ……。


「ともかく、病院なんだし、ダメ!」


「父さんと、病院でイチャイチャしてた人に言われたくないなぁ……」


「そ、それは……っ、相馬が悪い!」


(……まんざらでもなかったくせに)


本当、この母親は良い反応をする。


「伊織は純粋なの。見てて、わかると思うけど」


「うん。感情が面に出やすい子みたいだね。素直そう」


だからこそ、気に入った。


「『素直そう』じゃなくて、素直なの。だから、汚しちゃダメ」


「……失礼じゃない?単純に、荷物を届けるだけで」


人をバイ菌みたいに。


なら、その俺らを産み出した大いなる原因である父さんもバイ菌ということになるではないか。


「釘を刺しとかないと、手を出すかと」


「……父さんじゃあるまいし」


ここに父さんがいないところを見ると、置いてきたのか。


相変わらず、夫の扱いが雑である。