よって、七人兄弟のなかで相手がいないのは、俺だけ。
別に、恋愛とかは面倒だから……と、思っていたんだけど。
(手に入れたくなったら、話は別だよね)
久しぶりに出た、やる気。
すぐに赤くなる伊織は、とても可愛い。
だから、欲しい。
ただ、それだけ。
それだけ、なんだけど……
「……はぁ、ちょっと、待った!悠哉!!」
病室のドアに手をかけようとしたら、肩を掴まれ、引きずられる。
「……何」
「うわっ、めっちゃ、不機嫌!ってか、表情筋、働かせなさいよ。無表情、マジで怖い」
「……無表情なのに、何で、不機嫌ってわかるわけ?」
「なんとなく」
適当な母親は陰に俺……僕を引き込んで、言った。


