(マジで、怖いんだって……っ!!相馬に似たせいで!!)
性格は私似のはずなのに、もうひとつの性格は相馬に似て。
顔は相馬に似てるもんだから、恐怖感は半端じゃない。
ご機嫌で、伊織の消えた方に行った息子を眺め、溜め息をつく。
「……誰かさんに似たから」
「おい!責任転嫁するな」
私たち夫婦は、何年たっても変わらない。
高校生のときは、友達以上恋人未満で。
今は、友達でもあり、夫婦でもある関係である。
だから、こんな軽口も交わしあえて。
「だって、そうでしょ。高校の時の王子にそっくり」
「……寒気がするから、それはやめろって」
「名前を呼ばれれば、ニッコリと笑い返してた王子が何を言う」
「昔の話だろ」
「昔の話だけど」
「今は、お前一筋」
「……」
平気でこんなことを言えるところとか、全部、子供たちに受け継がれている。
良いものなのか、悪いものなのか……とりあえず、私は慣れているから良いとして、他はダメだ。
他の免疫がない子は、耐えられない台詞をこの男は連発しまくる。
だからこそ、モテていたんだろうけど。
って、そんなことより。
「何で、伊織に、自ら行くんだろ……あの面倒くさがり屋が……」
そこなのだ。
裏の性格が表に出てきたということは、ろくなことはない。
なんか、企んでいると思うのだが。
「そりゃ、決まってるだろ」
首をかしげると、横で相馬が、自信満々に言った。
「唯一を見つけたんだ」
……嫌な予感がして、私は伊織の病室の方へ向かった。


