☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



(マジで、怖いんだって……っ!!相馬に似たせいで!!)


性格は私似のはずなのに、もうひとつの性格は相馬に似て。


顔は相馬に似てるもんだから、恐怖感は半端じゃない。


ご機嫌で、伊織の消えた方に行った息子を眺め、溜め息をつく。


「……誰かさんに似たから」


「おい!責任転嫁するな」


私たち夫婦は、何年たっても変わらない。


高校生のときは、友達以上恋人未満で。


今は、友達でもあり、夫婦でもある関係である。


だから、こんな軽口も交わしあえて。


「だって、そうでしょ。高校の時の王子にそっくり」


「……寒気がするから、それはやめろって」


「名前を呼ばれれば、ニッコリと笑い返してた王子が何を言う」


「昔の話だろ」


「昔の話だけど」


「今は、お前一筋」


「……」


平気でこんなことを言えるところとか、全部、子供たちに受け継がれている。


良いものなのか、悪いものなのか……とりあえず、私は慣れているから良いとして、他はダメだ。


他の免疫がない子は、耐えられない台詞をこの男は連発しまくる。


だからこそ、モテていたんだろうけど。


って、そんなことより。


「何で、伊織に、自ら行くんだろ……あの面倒くさがり屋が……」


そこなのだ。


裏の性格が表に出てきたということは、ろくなことはない。


なんか、企んでいると思うのだが。


「そりゃ、決まってるだろ」


首をかしげると、横で相馬が、自信満々に言った。


「唯一を見つけたんだ」


……嫌な予感がして、私は伊織の病室の方へ向かった。