☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



(めっちゃ、小説の主人公にしたい!)


午前に彼の姿をみたときよりも、そそられた創作の精神。


「―伊織、美耶、悠哉」


本当に寝落ちそうになっている彼を見上げながら、小説の展開を考えていると、そう、名前を呼ばれた。


「母さん」


顔をあげると、そこにいたのは沙耶さんで。


心なしか、さっきの光景を思い出して、顔が赤くなる。


「伊織、ご免なさい。さっき、私を探しに来たでしょ?」


「い、いえ!そんなっ、滅相もない!」


どうやら私は、自分の感情を抑えることが苦手らしく。


「その反応……もしかして、見ちゃった?」


沙耶さんが気づいたのか、苦笑して。


「ごめんなさい……見るつもりは……」


「良いのよ。伊織が謝ることはないわ。反省すべきなのは、このバカだから」


と、横にたっていた旦那さんの肩を叩いた。


「あ、は、初めまして……」


沙耶さんの旦那さんということは、御園の総帥ということ。


何か粗相があれば、人を消すことなど容易な立場の人。


絶対的なその雰囲気に、しどろもどろ、挨拶する。