☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「伊織ー?」


彼の質問に答える前に、そんな声が聞こえて。


「あ」


その声の主を知っているらしい彼は、無表情の顔を上げて。


「あ、ここにいた。栞を落としてたから、持ってたら、病室とは逆方向に走っていくから、何があったかと……って、兄さん」


「美耶」


「どこにいたの?」


「ブラブラしてた。でも、眠くなったから」


「寝ればいいじゃん」


「外で寝てたら、危険だから、だめだって怒られた」


……正解は、沙耶さんらしい。


「あ、伊織は会うの、初めてだったね。この今にも寝落ちそうな人は、私の長兄。御園悠哉。動物好きで、口癖は『面倒くさい』な、24歳」


これが、噂の。


ハイスペックな、勿体無い兄貴!


「初めまして……御園、悠哉で………………」


「悠哉兄!立ったまま、寝ないで!」


……確かに。


小さな子供みたいである。


(勿体無いって、こういうところなのかな……)


イケメンで、身長は180以上あって、動物、子供好きで、大金持ちの長男で、母性を誘うような男……。