☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「じゃ、じゃあ、探して……」


「車イスとか、いる?」


「ううん、歩けるから」


「そっか。……ついていかなくてもいい?」


「大丈夫。ありがと、美耶」


家族を喪ったことは、とても悲しいことだったけど……美耶と出逢えたことは、とても嬉しいこと。


ひとつずつ、思い出にするんだ。


みんなのことを。


(……すぐには、無理だけど)


心配をかけないように、元気にならなきゃ。


生きることは、恩返しになるって、沙耶さんも言ってくれたし。


「あ!もし、両親がイチャイチャしてたら、陰で様子見な!暇潰しに、これ持ってった方がいい!」


渡された、新しい本。


「私、伊織の書いた小説を読んで、待ってる」


『桜小道』とかかれた表紙を眺め、思わず、笑ってしまう。


「美耶、両親のこと、よくわかってるね」


「あの人たちと住んでたら、嫌でもわかるよ。……ほら、早く、行ってらっしゃい」


妹キャラに入るはずなのに、たまに、お姉ちゃんっぽいところ。


そんな美耶が、大好きで。


「行ってきます」


私は、美耶を大切にしたいと思う。


本を抱え、病室から出て、少し歩いたところ。