「それに因み、御前と御堂という家が作られ……そこに、御園の人間はばらまかれました。それから、約600年……御園の人間は様々な理由で早世し、人数が減りつつあり……現在、御堂家では、両手で数えられるものしか、生き残っておりません。御堂家に至っては、家業が問題なのですが……」


「家業?」


伝えるべきか悩み、伝えることにする。


限られた人間しか知らぬ、御園を始めとした色々な暗殺、護衛の依頼を叶える一家。


「暗殺者を育てる、御園の裏家業を手伝う家なのです。だから、実質的、害はない。そして、御園が表で経済を回しながら、裏で極道を統一できるのも、御堂家の力があるからなんですわ。重鎮は、御前家の人間だから……他人ではないけれど、他人になるわね。もう、何百年も婚姻関係なんて結ばれていないですし……」


柚香様は納得したのか頷き、


「つまり、潤子さまが縁を切られた一族と、御園家の人間が交じった一家が御前家で、その家はなにもしないのに、沙耶に文句を言うから、相馬がキレ……その、相馬のやり過ぎる行動に、沙耶がキレ……喧嘩になって、沙耶の家出」


と、自身の見解を述べられた。


全くもって、その通りだったので……


「素晴らしい、その通りです」


と、拍手を送ると。