☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「だから、ほら。おいで」


右腕を伸ばし、彼の背中に回す。


私よりも、頭二つ分くらい高いこいつは、私を包み込むように抱き締める。


優しい、優しい抱擁。


「大丈夫だから、ね?」


説教と言ってたけど、どうやら、本気で心配していたらしく。


怒る気力もなくなって、私は彼にすり寄った。


すると、強くなる抱擁。


「逢いたかった……」


漏れ聞こえるような、その声に。


「私も。お帰りなさい、相馬」


私の口許は笑みを刻み、私の心を舞い上がらせる。


ほんの、数ヵ月の話なのに。


相馬の胸に頬を寄せていると、誘うように、頬に手が滑った。


看護師さんは空気を読んでくれたのか、いつの間にか居なくなっていて。


拒否する理由もないので、身を委ねる。


すると、視界が甘く、翳った。