☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「あ。ごめーん……忘れてた」


因みに、私がわざわざ看護師さんを呼んで、伊織のところに来たのは、『一人で行動するな』という、相馬くんからのご命令のゆえなのであった。


「忘れてたって……」


「娘に無視されてさ。伊織に届け物をしに来たんだけど……あ、相馬」


使えない左手の代わりに、右手で悠哉に持ってきて貰ったものを持っていると、遠くから、相馬が歩いてくるのが見えた。


「おーい」


プライベートのところなので、大きな声を出しても問題はなく。


私を見つけた相馬は、早足で私に近づいてくると、私から荷物を奪った。


「ちょっと」


「ちょっと、じゃねーよ。怪我は?」


「全然。ピンピン。元気、いっぱい」


「……本当だろうな?」


「なんで、そんなに疑り深いのさ」


私の旦那様こと相馬は、今年で44歳。


20代の頃よりは、貫禄に溢れているけど……


「あんた、不老よね」


皮肉も加わっているが、本当にそう思う。