☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



(まぁ、相馬と結婚したお陰で、子供たちはみんな、綺麗なんだけどさ)


恐ろしき、御園DNAである。


「……私、見た目はお母さんに似たんだけど?」


「私が美人なんて、あんた、目が腐ってるよ」


私もユイラ似だとよく言われたが、目がお父さん……健斗に似た時点で、あれである。


「いや、お世辞抜きで美人だよ?お祖母ちゃんは、優しそうなイメージで、お祖父ちゃんは格好いいって言うか……とりあえず、イケメンさんでしょ?そのミックスなんだから……何て言うか、頼れる姉御?って感じ」


「美耶、無理して誉めなくて良いから」


かえって、泣きそうになる。


「いや、無理してない……あー!私が言っても、理解してくれない!」


「だから、私は、美人じゃないって」


美耶はその事にたいしてぶつぶつ言いながら、伊織に紙袋を差し出す。


「もう、何言っても、無駄か。じゃあ、お母さんのことは放っておいて……これ、おすすめなの!」


取り出しながら、私の放置宣言をする娘。


(悠哉といい、美耶といい……)


「……ひどくない?」


「……」


「『桜小道』『恋花火』『木漏れ日の夢』『貴方のことが好きでした』『観覧車』『最期の時』『手を繋いで』……こんなに借りて良いんですか?」


美耶は私のことを無視して、伊織は感激して、なんか、除外された気分……


「良いの、良いの!全部、読んだから……」


なんか、二人の世界が始まってしまい、邪魔したくないから、私は静かに部屋を出ていく。


つまらなすぎて、不貞腐れて、歩いていると。


「沙耶さん!行動するときは、呼んでくださいと……」


私が一人で歩いているのに気づいた看護師が、駆けつけてくる。