☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「伊織~!」


病室のドアが開き、大袋を持った私の次女……美耶が元気よく、入ってきた。


「調子はどう?新しい本、持ってきたよ!」


私と相馬の子供のはずなのに、背丈の低い我が娘は、


「お母さん、お父さんが帰ってきたよ」


と、言う。


「相馬が?なんで」


「そりゃ、お母さんのことが心配だからじゃないの?」


意味がわからない。


「あいつ、散々、人を説教したくせに……そういや、悠哉が迷惑しているって言ってたな……説教でもすっか」


仕事に影響を出すなんて、大人として間違ってる。


「いや……庇って貰った私が言う台詞じゃないけど……説教は出来なくない?ってか、私、本当に道場に行こうかな……」


散々、相馬が怒ったのと同様、散々、泣いて謝り倒してきた美耶は、そう呟く。