☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「ルナ、帰ろ」


外に出て、そう言えば。


草陰から、現れる猫。


僕の、猫。


「ニャー」


「……ん?友達?」


僕にすり寄る、ルナの頭をなで、僕は目を移す。


「行く場所ないの?なら、僕のところにおいで」


「ニャーン」


「でも、そうなると、名前を決めなきゃね。…そうだ、ルナの友達だから、ルキは?」


「ニャー」


見る限りオスっぽいから、ルキ。


特に、理由はない。


「ルキ、宜しくね」


名前を呼ぶと、ルナと同じく、すり寄ってきて。


それに、頬を緩める。





「―可愛い」




僕の呟いた、その声は風に乗る。






ルキとルナをつれ、車に乗る僕たちの姿を見ている姿が、ここにひとつ……。