「ルナ、帰ろ」
外に出て、そう言えば。
草陰から、現れる猫。
僕の、猫。
「ニャー」
「……ん?友達?」
僕にすり寄る、ルナの頭をなで、僕は目を移す。
「行く場所ないの?なら、僕のところにおいで」
「ニャーン」
「でも、そうなると、名前を決めなきゃね。…そうだ、ルナの友達だから、ルキは?」
「ニャー」
見る限りオスっぽいから、ルキ。
特に、理由はない。
「ルキ、宜しくね」
名前を呼ぶと、ルナと同じく、すり寄ってきて。
それに、頬を緩める。
「―可愛い」
僕の呟いた、その声は風に乗る。
ルキとルナをつれ、車に乗る僕たちの姿を見ている姿が、ここにひとつ……。


