「その、重鎮って、なんなんですか?」
「重鎮は、御園の決定権を持つ者の称号の一つですわ」
御園家では、大事な判断を下す人が三人いる。
例え、親が生きていようが、位を譲り渡した時点で、親は譲り渡したものより下の地位になる。
この家で、
男のトップは、“鬼帝”
女のトップは、“鬼姫”と呼ばれ、
その次に、重鎮と決定権を持つものが三人いる。
現在、この家で“鬼帝”は相馬さまであり、
“鬼姫”は京子さまだ。
「重鎮は、大体……そうですわね、50人もいないと思います。彼らの先祖は繋がっており、全ては、室町時代辺りの当主まで遡るんです」
和子が還らぬ人になったあと、必死に勉強した、この家の歴史。


