☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「甲斐に聞いたのよ?あんたがどれだけ無理して、休みをとったのか。大体、悠哉たちだって……」


「あいつらの教育は、家がやるだろ?」


「馬鹿!子供たちには、親の愛が大事なの!あんただって、そうだったでしょうが!」


価値観も、教育のしかたも違いすぎる私たちは、こうして、ぶつかり合って。


「……本家に帰りたいのか?」


「帰りたいよ!具合、悪いもん!」


食欲がなくなったり、吐いたり。


原因は、調べなくてもわかってる。


「……マジで?」


「マジで」


相馬も察したのか、聞き返してくるし。


「儀式受けたら、妊娠する話、マジなんだな」


「……いや、儀式が五日間ある時点で、御園の男のやり方じゃ、必ず、妊娠するし。しない方が、御園の家にとっては不思議だし」


「……それも、そうか」


「古の人の作為を感じるよね!」


恐らく、仲が悪い夫婦にも必ず、一人の子供が出来るようにという意味での儀式なのだろう。