「お前さぁ、性格悪いよな」


僕が……いや、俺がそう言えば。


「うっさい、二重人格者。大体、仕事を手伝ってもらわない相馬がいけないんじゃないの?」


さらっと、責任転嫁した甲斐は相馬の様子を眺めて。


「相馬、これ、あげる」


と、新しく建てたタワーマンション最上階、御園の保有である部屋の鍵を横から相馬に渡す。


「どうせ、片付けるなら、そこで片付けてね?儀式は、この家でだけど……優秀な人材は腐るほどにいるから。仕事も、儀式の準備も、この際だから、仕方ない。片付けておいてあげる。会見は、儀式のあとにするか……連絡をつけなきゃな……ひとまず、今日の仕事はないから。じゃ、行っておいでー」


甲斐の最後の言葉に、無言で沙耶を抱き上げる相馬は。


「……姉さん、双子を頼んだ」


そう言って、部屋を出ていく。


沙耶の慌てる声など、気にもせず。


あそこまで、怒ってるということは。