☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「帰る意味は?」


「里帰り、ですかね?」


「じゃあ、何で、そんな紙を持っとるん?相馬を、棄てるんか?」


沙耶が手に握りしめたもの、それは……


「沙耶、何で、逃げようとしてるん?相馬が嫌いか?この家が、嫌になったか?家出の件もやけど……相馬は、今、休みをとるために……」


「……え?」


何も聞かされていない沙耶は、不安なんだろう。


日に日に、暗くなっていく顔。


「それ、どういうことですか?」


今にも、泣き出しそうに。


沙耶は、紙……離婚届を、床において。


京子に詰め寄る。