☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「甲斐は、本当、昔から、相馬の面倒をよく見てくれてるから、助かって……」


「―…茅耶、悠哉、ここにいるの?」


京子がしみじみとそう言ったとき、どこか、暗い声が襖の向こうから聞こえた。


「ここにおるよ、沙耶」


かけられた言葉に、京子が答えると。


「あ、京子さん達が……って、ここに全員、集まって……何してたんですか?あ、綺麗な着物ですね」


言いたいことがありすぎるのか、沙耶の言葉遣いはどこか変で。


「これはな……」


京子が着物のことについて話そうとすると、沙耶は部屋に入ってきた。


そして、双子を抱き締めて。


「ごめんね……」


その普通じゃない雰囲気に京子は口をつぐみ、


「沙耶、どこに行くつもりや?」


そう、訊ねた。


すると、沙耶は。


「暫く、実家に帰ろうかな……と、思って。双子を、律たちにも会わせたいし……」


律と言うのは、沙耶の兄である大樹の長男で。


ヤバイ。


本能的に、僕たちはそう感じた。