■総一郎side□
「切れちゃった……」
電話を片手に、僕は呟く。
お昼を終えた、本家。
僕たちは集まり、衣装の確認をしていた。
「京子、その着物、綺麗だね。赤がとても……もしかして、沙耶に?」
「儀式を終えたら、会見にでらなあかんやろ?そんときの衣装や。相馬の命令で、特注品」
「うわー血を感じるね」
最近、沙耶のためならば、何でも特注品にする相馬は、最近、誰かに似てきたと思う。
「それは、俺への嫌みか?総一郎」
「まさか、まさか。尊敬してますよ、無駄に優しい陽希伯父さん」
「嫌みか!」
「別に~」
母さんの死の原因の1つに、伯父が深く関わっていることを知ったのは、退院してしばらくたった後。
「こら、総一郎。兄さんをからかわないの」
「あ、父さん」
笑いながら部屋に入ってきた父さんは、母さんのことは吹っ切れているらしく、改めて結婚して、今や、とても幸せそう。
だから。
「お母さん、体調は良いの?」
「ええ、ありがとう。総一郎」
父さんの新しい奥さん……ほたるさんのことを、僕たちは『お母さん』と呼ぶことにしているのだが。
「お母さん、こっちに来て、沙耶の着物を選ばない?」
京子がそう誘ったり、
「お母さん!ここにいる!?」
水樹が部屋に飛び込んできたり、
「お母さん、茅耶達が……」
氷月が相談に来たり。
頼られるのは構わないらしいが、『お母さん』と呼ばれることになれないらしく、たまに、僕たちにたいして彼女は敬語になったりする。
「切れちゃった……」
電話を片手に、僕は呟く。
お昼を終えた、本家。
僕たちは集まり、衣装の確認をしていた。
「京子、その着物、綺麗だね。赤がとても……もしかして、沙耶に?」
「儀式を終えたら、会見にでらなあかんやろ?そんときの衣装や。相馬の命令で、特注品」
「うわー血を感じるね」
最近、沙耶のためならば、何でも特注品にする相馬は、最近、誰かに似てきたと思う。
「それは、俺への嫌みか?総一郎」
「まさか、まさか。尊敬してますよ、無駄に優しい陽希伯父さん」
「嫌みか!」
「別に~」
母さんの死の原因の1つに、伯父が深く関わっていることを知ったのは、退院してしばらくたった後。
「こら、総一郎。兄さんをからかわないの」
「あ、父さん」
笑いながら部屋に入ってきた父さんは、母さんのことは吹っ切れているらしく、改めて結婚して、今や、とても幸せそう。
だから。
「お母さん、体調は良いの?」
「ええ、ありがとう。総一郎」
父さんの新しい奥さん……ほたるさんのことを、僕たちは『お母さん』と呼ぶことにしているのだが。
「お母さん、こっちに来て、沙耶の着物を選ばない?」
京子がそう誘ったり、
「お母さん!ここにいる!?」
水樹が部屋に飛び込んできたり、
「お母さん、茅耶達が……」
氷月が相談に来たり。
頼られるのは構わないらしいが、『お母さん』と呼ばれることになれないらしく、たまに、僕たちにたいして彼女は敬語になったりする。


