☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「―さて、次はどなた?」


沙耶は、楽しそうに訊ねる。


この状況を心から楽しんでいるらしい沙耶を見て、男達の瞳が恐怖以上のものに染まり、また、数人、意識を飛ばす。


「ねぇ、下らないわよねぇ?」


カツン、カツン、と、沙耶のヒールの音は響く。


そして、男達にとっては、“悪魔の足音″。


「嫉妬して、行動せずに、こんなことして命落とす、なんて。ダサいわ。すんごく、ダサい」


他の男達は、ごくりと生唾を飲み込みこんだ。


温度をなくした沙耶の瞳に、暖かさが戻ることはなく。


「貴方たちに依頼した人間も、恐らく、依頼された人間だったんでしょうけど……良かったわね?一発目が私で。一発目から、焔棠の人間に殴られたくないでしょう?でも、まぁ、もし、柚香に手を出したりしていたら、千歳たち千羽が動く前に、私が殺してあげたけどね?」


なんて、笑顔で吐く沙耶。

大事な幼馴染みの沙耶に震え上がるほどの恐怖を感じる私は、


「フフっ、私を犯すようにでも、依頼された?でも、残念。使う予定だったブツ、もう、二度と使い物にならないわねぇ?」


気を失っている男の秘部を躊躇いもなく、踏みつける沙耶は、笑ってて。


そんな沙耶の姿から、私達は目を離せなくなる。


「あんたたちみたいなの、消えてしまえばいいのに」


絶対的な統治者。


もし、沙耶が男ならば、そんなものになっていただろう。


前世とか関係なしに、沙耶は、女に生まれてきて本当に良かったのかもしれない。


この国……いや、世界のために。