☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



相馬は嬉々として、それを持ったまま、扉の方へ行く。


「……相馬、なんか、他のことでも怒ってない?」


沙耶を男たちが拐ったこととかだけじゃない気がして来た。


すると、氷月が。


「もしかしたら、柚香を助けに行くまでいた姫宮家での話を全部、兄さんに俺が話したからかも」


「話……?」


すると、千歳は思い辺りがあるのか。


「……怒ってるかもな。沙耶の言葉に」


「え……?」


氷月の記憶力がいいのは、知っているが……


「沙耶、言ったんだよ」


千歳の声を合図に、氷月が口を開く。