☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「また、銃声……ッ、氷月、千尋、警察でもなんでもいいから、あいつらを捕まえられるくらいの人間をここに回せる?私、中に……」


「回せるよ。けど、柚香、中は……」


「沙耶がいるのよ!怪我した沙耶が!!勇真兄だって、いくらなんでも……」


どんなに強いとしても、元ヤンでも、勇真兄だって、大切な家族がいる。


必ず、無事に返さなくちゃ。


じゃないと、沙耶が悲しむ。
沙耶が、壊れる。


麻衣子さんが苦しみ、二人の子供と遺される。


かつての朝陽さんのようなことは、防がなければならない。


制止してくる二人の手を振り払い、進もうとすると。


「行くぞ、柚香」


千歳が、手を引いてくれる。


「千歳!」


千尋の止める声が響くけど……


「こいつのことは、俺がよくわかってる。大丈夫だ。ちょっと、様子を見に行くだけだから。相馬、お前も……」


「俺も行くよ。これでも、もって」


相馬がそう言いながら、取り出したのは、日本刀。


「!?……そ、それ、どこに……」


「家から、持ってきたんだよ」


「家に日本刀があるの!?」


「火縄銃もあるが?」


「怖い、御園家!そして、沙耶同様、銃刀法違反!!」


法律とか関係なしな、夫婦。


相馬は沙耶と同じようにニッコリと笑って。


「人生を詰ませるんだ。これくらい、必要、だろ?」


日本刀は、人の首でも簡単に飛ばすと言う。


つまり、御園は昔、これを使って……


「っ、……」


想像するだけでも、震え上がってしまう。