「……と、そういや、氷月、千尋!」
別のところで他の女の子の手当てをしていた二人に駆け寄る。
「柚香、大丈夫?」
「ええ。私は……そんなことより、沙耶よ。あの子、完全にメーターが振り切ってる。勇真兄がいるとはいえ……止めないと」
――パン、パンッ!
そんなことを話していると、またもや、聞こえた銃声。
そろそろ、警察が駆けつけてくるだろう。
こんなにも、夜の町に響いているのだから、住人が気づかないはずがない。
もうすぐ、日付が変わる。
明らかに近所迷惑だと思いながらも、私は沙耶たちのことが心配で。
捕らわれていた女の子たちは、全員、間違いなく助けた。
けれども、中には、50人近くの男と勇真兄と沙耶が置き去りにされている。


