☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「……甲斐?」


相馬の声がふと聞こえ、女の子を抱き締めたまま、振り返ると、相馬は電話していて。


「ああ。前から話していた通り、メディアに連絡を取れ。御園の総帥が、全ての謎に応えると。そして、一ヶ月の休みを取れるように計らえ。水樹たちに配分できるものはし、できないものは前倒しにしろ。取れた休みの一ヶ月で、“儀式”を行う」


ハッキリと、甲斐にそう伝えていた。


沙耶を傷つけるのが怖くて、躊躇っていたくせに……急に、どんな心境の変化だと思って見ていると。


「柚香、これのせい」


私の目に気づいた千歳が、一枚の紙を差し出してきて。


「これ、一応、公に広まる前に取り寄せたやつなんだよ。多分、朝イチで広まると思うけど」


女の子から離れ、開く。


そこに、大々的な見出しで書いてあったのが。


「“とうとう、若き有能御園家総帥、御園相馬、結婚か!?”……は?なにこれ」


思わず、読み上げ、低い声が出た。


その見出しと共に使用されていたのが、自分の写真だったからだ。