☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「私?私は千羽家三男の千羽千歳の妻、千羽柚香」


「千羽……じゃあ、私たちを救ってくれたのは……」


「あの子は、そこにいる御園家総帥、御園相馬の妻よ。旧姓は黒橋」


「……あの方は、大丈夫なんでしょうか?」


落ち着いてきたのか、女の子は息をついて。


「ええ。沙耶は大丈夫よ。あの子は、強いから。貴女たちのことを知って、貴女達を拐った人間を全員、取っ捕まえるってキレていたほどだもの。沙耶はこういうことが大嫌いでね、徹底的に相手は追い詰められると思うわ。多分、人生を詰むまで」


「っ……」


「だから、安心してちょうだい。ね?」


「ううっ……」


「遅くなって、ごめんね」


泣き出してしまう。


こういうことを防ぐために、御園がいるのだ。


警察すらも動かす権限を持った、御園が。